
「任意整理中なのに、クレジットカードが作れた」――そう聞いて、「えっ、本当に?」と思った方も多いはずです。
一般的に、任意整理をすると信用情報に傷がつき、クレジットカードは作れなくなると言われています。実際、私自身も最初はそう思っていました。しかし調べていくうちに、すべてのケースで絶対に作れないわけではないことがわかってきました。
この記事では、私が任意整理中に楽天カードの審査に挑戦した実体験をもとに、以下のことをわかりやすく解説します。
- 任意整理中にクレジットカードが作れないのはなぜか(仕組みを理解する)
- 例外的に審査が通るケース・パターン
- 和解後にカードを作るための具体的な手順
- 任意整理後に審査が通りやすいカードの比較
- 今すぐ使えるデビットカード・プリペイドカードの活用法
金融系の記事は「必ず作れる」と煽るものが多いですが、この記事では正直な体験談と正確な情報をお届けします。任意整理中の方・検討中の方、ぜひ最後まで読んでみてください。
筆者について
私は2019年にクレジットカード3社、銀行系カードローン会社1社に対して任意整理を行いました。当時の借入総額は約500万円。弁護士に依頼し各社と和解(返済計画の合意)が成立。
現在は債務を全額返済し、当時の自分と同じような状況で苦しんでいる人向けに体験談に基づく情報を発信しています。
任意整理の経験者として、「本当のこと」だけをお伝えします。
任意整理中はクレジットカードが作れないのが「基本」

まず大前提として、任意整理中はクレジットカードの審査に通るのが非常に難しい状態です。ほぼムリです。
その理由を、仕組みから理解しておきましょう。
信用情報機関(CIC・JICC・KSC)への登録の仕組み
日本には主に3つの信用情報機関があります。
- CIC(株式会社シー・アイ・シー):クレジットカード・消費者金融系
- JICC(日本信用情報機構):消費者金融・貸金業者系
- KSC(全国銀行個人信用情報センター):銀行・信用金庫系
任意整理を行うと、これらの機関に「異動情報(いわゆる事故情報)」が登録されます。カード会社はカードの申し込みを受けると、これらの機関に照会して申込者の信用状態を確認します。
任意整理中に事故情報が登録されている状態では、ほぼ確実に「審査対象外」として弾かれます。
事故情報の登録期間(任意整理は5年)
任意整理の場合、信用情報への登録期間は完済から約5年間とされています(機関によって若干異なります)。
つまり、
- 任意整理中(返済中):事故情報が登録されている → 審査NG
- 完済後5年以内:事故情報が残っている → 審査NG
- 完済後5年以上:情報が消える → 審査可能になる
これが「任意整理するとブラックリストに載る」と言われる状態です。正確には「ブラックリスト」という名簿があるわけではなく、事故情報が登録されている状態のことを指します。
なぜ整理中は審査NGになるのか(加盟店照会の仕組み)
カード会社が申し込み審査をする際には、信用情報機関への照会だけでなく、自社の顧客管理データベースも確認します。
たとえば楽天カードに以前延滞や債務整理の記録がある場合、楽天カード社内のシステムにも情報が残っています。これを「社内ブラック」と呼ぶことがあります。
任意整理の対象にした会社のカードは、信用情報の記録が消えた後も、社内データに記録が残っている可能性があるため、同じ会社のカードは特に審査が通りにくいという点も覚えておきましょう。
それでも作れた理由と「抜け穴」的パターン
「基本はNG」と説明しましたが、実際にはいくつかの条件やパターンによって、任意整理中・和解後でもカードが作れるケースがあります。
和解後(完済前)でも審査が通るケースとは
任意整理には大きく2つのフェーズがあります。
- 和解前:弁護士が介入し、各社への返済を一時ストップして交渉中の状態
- 和解後:各社と返済計画が合意し、分割払いを進めている状態
驚くことに、「和解後(完済前)」の状態でも審査に通ったという体験談がネット上には多く存在します。なぜでしょうか?
理由のひとつとして、信用情報機関への登録タイミングや登録内容が、カード会社によって異なることが挙げられます。一部のカード会社では、任意整理の手続きが始まった段階で事故情報を登録しますが、登録の詳細(「異動」「返済中」など)の表記がまちまちで、照会側の判断に差が出ることがあるのです。
ただし、これはあくまで「例外的なケース」です。基本的に和解後・完済前の状態で主要カードの審査を通過するのは困難と考えてください。
信用情報に登録されないカードの種類
クレジットカードに分類されなければ、信用情報の照会が不要なカードもあります。
デビットカード:口座残高の範囲内で使えるカード。審査なし・即日発行が多い。VISAやMastercardのブランドが付いていれば、クレジットカードと同じ加盟店でほぼ使えます。
プリペイドカード:事前にチャージして使うカード。こちらも審査なし。ネット決済やサブスクリプションサービスにも対応しているものが増えています。
これらは「クレジットカード」ではありませんが、キャッシュレス決済手段としては十分機能します。
配偶者・家族名義の家族カードを使う方法
配偶者や親が持っているクレジットカードの「家族カード」として追加発行してもらう方法もあります。
家族カードは主にカード会員(本会員)の信用情報をもとに発行されるため、家族カードを使う側(任意整理中の本人)の信用情報は原則として審査に影響しません。
注意点:
- 本会員(家族)の信用情報に影響が出ることはありませんが、本会員の審査が通っていることが前提
- 利用明細は本会員に届くため、プライバシーの観点で注意が必要
- 任意整理中の本人が自分名義のカードを持てるわけではない
中小・地場系カード会社の独自審査に通ったケース
大手カード会社(三井住友・JCB・楽天など)は信用情報機関との連携が厳格ですが、地域の信用金庫や一部の流通系カード会社では、独自の審査基準を持つ場合があります。
体験談として聞いた話では、「任意整理の和解後1年以上が経過し、収入が安定していたため、地元の信用金庫系カードが通った」というケースがありました。ただし、これは非常に稀なケースであり、積極的にチャレンジすることは推奨しません(後述する「多重申し込みNG」の理由から)。
体験談「任意整理中に楽天カードの審査に挑戦した話」
ここからは、私自身が楽天カードの審査に挑戦した体験を正直にお話しします。
申し込み前の状況(借入額・和解状況・収入)
申し込みを試みたのは、弁護士を通じて各社と和解が成立してから約2年後のことです。
当時の状況:
- 和解後の返済:毎月粛々と継続中(遅延なし)
- 収入:会社員・月収手取り約23万円
- 楽天カードとの関係:過去に楽天カードを所有していたが、使用する機会が少なく解約済み
当時、楽天カードは審査が緩いという情報が多く、楽天カードなら審査に通るかもしれないとの期待があった。
申し込みから結果通知までの流れ
楽天カードの審査にかかった期間はわずか約30分でした。

あまりにも早い結果に、愕然としました。もちろん、結果は審査落ち。返済は順調でしたが、和解から2年でのクレカ作成はかなり難しいの現状です。
結果:審査落ち+理由の考察
メールには「お客様の審査結果につきまして、誠に残念ながらご希望に沿えない結果となりました」という定型文のみ。具体的な理由は記載されていません(これはどのカード会社でも同様です)。
なぜ落ちたのか、自分なりに考えた理由:
- CIC/JICCに任意整理の事故情報が登録されていた:楽天カード社は信用情報機関の照会を行うため、他社の任意整理情報が見えていた可能性が高い
- 過去の楽天カード解約履歴:社内データに「解約済み」の記録が残っており、それが影響した可能性
- 和解後2年は短すぎた:もう少し返済実績を積んでから申し込むべきだった
今振り返ると、「任意整理対象外だから大丈夫」という考えは甘かったです。信用情報機関のデータはすべてのカード会社から見えるものなので、1社でも任意整理をしていれば全カード会社の審査に影響します。
審査落ちした後の行動
落ちた後は、以下の行動を取りました。
- しばらく申し込みを停止:短期間での多重申し込みは信用情報に「申し込みブラック」として記録されるため
- 信用情報の開示請求:CICとJICCそれぞれに開示請求し、自分の情報を確認した
- スマホ決済の利用:メルペイやPayPayなどのスマホ決済アプリを利用した。特にメルペイは後払い機能つきのため、クレカのようにスーパーやコンビニで買い物ができ、メルカリの売上金を返済に充当できるので便利です。
この経験から、「任意整理中はクレジットカードを無理に作ろうとせず、スマホ決済で代替する」という方針に切り替えました。
和解後にクレジットカードを作るための準備と手順
任意整理後、いつかはクレジットカードを持てるようになりたい方のために、正しい準備と手順をまとめます。
信用情報の開示請求方法(CIC・JICC)
まず自分の信用情報を確認することが最初のステップです。
CICへの開示請求:
- CIC公式サイト(https://www.cic.co.jp)にアクセス
- 「インターネット開示」から申し込み(スマートフォン対応・手数料500円)
- 本人確認書類(運転免許証など)をアップロード
- 数分〜数十分でPDF形式でダウンロード可能
JICCへの開示請求:
- JICC公式アプリ「スマートフォン開示受付サービス」をインストール
- 本人確認書類を撮影してアップロード(手数料1,000円)
- 数日以内に郵送で書類が届く
確認すべきポイント:
- 「異動」の表記がある項目(任意整理の記録)
- 最終返済日・完済日の記録
- 開示日時点での残高
完済後5年が経過していれば、この記録が消えているはずです。消えていることを確認してから申し込みに進みましょう。
申し込み前に整えるべき条件(完済・雇用・収入)
信用情報の回復だけでなく、以下の条件も重要です。
- 完済が完了していること:返済中は事故情報が継続して登録されます
- 安定した雇用・収入:正社員が最も審査に有利。収入証明書(源泉徴収票・給与明細)を準備しておく
- 居住年数:現住所に1年以上住んでいると安定性の証明になる
- 他のローン・借り入れがないこと:残債があると審査スコアが下がる
申し込み時に気をつけること(多重申し込みNG)
絶対に避けるべきなのが「多重申し込み」です。
短期間(6ヶ月以内が目安)に複数のカードに申し込むと、信用情報に「申し込み記録」が大量に残り、「この人はお金に困っているのでは」と判断されてしまいます。これが「申し込みブラック」と呼ばれる状態です。
申し込みは1回ずつ、結果を見て次を検討する形で進めましょう。落ちても焦らず、6ヶ月程度間を空けることをおすすめします。
任意整理後に作れたカード比較表(体験者の声まとめ)
私が、任意整理後(完済・信用情報回復後)に審査に通ったカードをまとめました。
審査が通ったカード一覧テーブル
| カード名 | 年会費 | 審査難易度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| au Payカード | 無料 | ★☆☆(易) | auやUQモバイルを利用していたら審査にとおりやすいかも。 |
| PayPayカード | 無料 | ★☆☆(易) | Yahoo!オークションやYahoo!フリマを利用している方はポイントが貯まりやすい |
| JCBカード(JALカード・普通カード) | 無料 | ★★☆(中) | JALカード(VISA・三菱UFJ)を任意整理したが、JCBは審査に通った。同じJALカードでも提携しているカード会社が違えば大丈夫 |
| JCBカード(JALカード・CLUB-Aカード) | 無料 | ★★★(難) | 普通カードからの切り替えで、利用可能枠が150万円ついた。 |
※審査難易度はあくまで体験者の声をもとにした目安であり、個人の状況によって異なります。
絶対に避けるべきカード(信用回復初期)
- 銀行系カード全般(三井住友・MUFG・みずほなど):完済後5年が経過し、さらに1〜2年の信用実績(別のカードを使いこなす実績)を積んでから
- アメリカン・エキスプレス:厳格な審査基準・年収要件あり
- 任意整理対象にした会社のカード:社内記録が残っている可能性が高いため、最後の選択肢に
デビットカード・プリペイドカードで今すぐ使える代替手段
任意整理中・完済後しばらくの間は、クレジットカードに頼らなくてもキャッシュレス決済は十分できます。
楽天デビットカードのメリット(審査なし・楽天ポイント)
楽天銀行デビットカードは、楽天銀行の口座を開設すれば審査なしで発行できるカードです。
主なメリット:
- 審査不要:信用情報に関係なく発行可能
- 楽天ポイントが貯まる:買い物200円ごとに1ポイント(還元率0.5%〜)
- VISAブランド対応:クレジットカード加盟店でほぼ使える
- 楽天市場での利用:楽天カードと同様に使える(SPU倍率は一部異なる)
- 即時引き落とし:使いすぎを防ぎやすい
楽天カードの審査に落ちた私が最終的に選んだのがこれです。ポイントも貯まり、使い勝手はクレジットカードとほぼ変わりません。
Visaプリペイドの活用法(ネット決済・サブスク対応)
プリペイドカードの中でも、Visaブランドのプリペイドカードはほぼすべてのネット決済・サブスクリプションサービスで使えます。
代表的なサービス:
- Vプリカ(ライフカード発行):コンビニでチャージ可能・ネット専用
- au PAYプリペイドカード:au PAYとの連携が便利
- dカードプリペイド:ドコモユーザー向け
これらは電気・ガス・NetflixなどのサブスクリプションにもVisa加盟店として登録でき、クレジットカードがなくても困らない場面が増えています。
よくある質問 FAQ
Q. 任意整理中に楽天カードは絶対作れない?
A. 「ほぼ作れない」が正直な答えです。
楽天カードは信用情報機関(CIC)への照会を行います。任意整理中は事故情報が登録されているため、楽天カードが任意整理の対象でなかった場合も、他社の任意整理情報が審査に影響します。私自身が体験したとおりです。完済後5年以上経過してから挑戦することをおすすめします。
Q. 和解後すぐに申し込んでいい?
A. 推奨しません。
和解後であっても、完済が完了するまで事故情報は信用情報機関に登録されたままです。審査に落ちると申し込み記録が残り、信用情報にマイナスの影響が出ます。完済後、信用情報の記録が消えてから申し込むのが最善です。
Q. 家族カードは信用情報に影響する?
A. 家族カードを使う側(任意整理中の本人)の信用情報は、原則として影響しません。
ただし、本会員(家族)の審査が必要です。また、家族カードの利用明細は本会員に届くため、利用状況は家族に把握されます。本会員との信頼関係のもとで利用することが大切です。
Q. デビットカードとクレジットカードの違いは?
A. 大きな違いは「後払い」か「即時引き落とし」かです。
| 項目 | クレジットカード | デビットカード |
|---|---|---|
| 支払いタイミング | 翌月以降(後払い) | 即時(口座残高から引き落とし) |
| 審査 | 必要 | 不要(口座開設のみ) |
| 分割払い | 可能 | 不可(一括のみ) |
| ポイント還元 | 0.5〜3%程度 | 0.5〜1%程度 |
| 使えない場面 | ほぼなし | ごく一部(宿泊予約の保証など) |
任意整理中はデビットカードで十分カバーできる場面がほとんどです。
まとめ+次のアクション
この記事の要点3点
- 任意整理中はクレジットカードの審査が通らないのが基本。信用情報機関(CIC・JICC)に事故情報が登録されるため、主要カード会社の審査は非常に厳しくなります。
- 和解後すぐの申し込みは推奨しない。完済が完了し、さらに信用情報から事故情報が消える(完済から約5年)まで待つのがベストです。
- 今すぐ使えるデビットカードという選択肢がある。楽天銀行デビットカードなどは審査不要で発行でき、ポイントも貯まります。クレジットカードを無理に作ろうとするより、現実的な代替手段を使うほうが賢明です。
今すぐできる行動
①自分の信用情報を確認する
CIC(https://www.cic.co.jp)またはJICC(https://www.jicc.co.jp)にアクセスし、現在の登録状況を開示請求しましょう。自分の状況を正確に把握することが第一歩です。
②楽天銀行デビットカードを申し込む
クレジットカードが今すぐ必要な方は、審査不要の楽天銀行デビットカードが現実的な選択肢です。楽天市場もポイントを貯めながら使えます。
③完済後5年を目標に返済を続ける
任意整理後のゴールは「完済してから5年後のクリーンな信用情報」です。焦らず返済を続けることが、最終的にクレジットカードを持てる最短ルートです。
この記事は個人の体験談および公開情報をもとに作成しています。信用情報や審査結果は個人の状況により異なります。詳しくは弁護士・司法書士にご相談ください。