
借金の返済を続けながら、「このままで大丈夫だろうか」「万一のときに備えて貯金もしておきたい」と感じている方は多いのではないでしょうか。
返済で毎月の収支がギリギリだと、貯金にまで手が回らないのが現実です。しかし、貯金がまったくない状態は、突然の出費でまた借金をしてしまうリスクにもつながります。
この記事では、借金返済中の貯金について、
- 貯金と返済、どちらを優先すべきか
- 具体的なバランスの取り方
- 両立するための家計管理術
- 実際にやってはいけないNG行動
を、筆者自身の体験談も交えながら解説します。
借金返済中に貯金すべき理由
借金の返済で苦しくても、ある程度すぐに使える現金は手元に残しておいた方がいいです。
緊急時の出費に対応するため
病気やケガ、家電の故障、冠婚葬祭など、生活には予期せぬ出費がつきものです。
貯金がまったくない状態でこうした出費が発生すると、その支払いのために新たな借金をしてしまう可能性があります。
返済が滞るリスクを減らすため
手元にまとまったお金がないと、収入が一時的に減っただけで返済が滞ってしまうことがあります。
少額でも貯金があれば、返済を止めずに乗り切れる場面が増えます。
「貯金ゼロ」が招く悪循環
貯金がない → 出費が発生する → 借りる、という流れが繰り返されると、返済しても返済しても借金が減らない状態に陥りがちです。この悪循環を断ち切るためにも、少額からの貯金は意味を持ちます。
貯金より借金返済を優先すべきケース
金利が高い借金を抱えている場合
消費者金融やカードローン、リボ払いなど、金利が年15〜18%程度になる借金を抱えている場合は、貯金よりも返済を優先したほうが合理的です。
金利と貯金利息を比べてみる
一般的な銀行預金の金利は年0.001〜0.3%程度です。一方、高金利の借金は年15%を超えることも珍しくありません。
つまり、貯金に回すお金があるなら、その分を返済に充てたほうが、実質的にははるかに大きな「利益」を生むことになります。金利差が大きいほど、返済を優先する意味は大きくなります。
貯金と返済のバランスの取り方
まずは生活費1〜3ヶ月分の緊急資金を目標に
いきなり大きな貯金を目指す必要はありません。まずは生活費の1ヶ月分、慣れてきたら3ヶ月分を目安に、緊急時に対応できる資金を確保することから始めましょう。
借金の金利別・返済優先度の目安
| 借金の種類 | 金利の目安 | 優先度 |
|---|---|---|
| 消費者金融・カードローン | 年15〜18% | 返済を最優先 |
| リボ払い | 年15%前後 | 返済を最優先 |
| 教育ローン・奨学金 | 年1〜3% | 貯金と並行してOK |
| 住宅ローン | 年0.5〜2% | 貯金と並行してOK |
収支から貯金額を決める
毎月の手取り収入から、固定費・返済額・生活費を差し引いた「余剰分」の中から、無理のない範囲で貯金額を決めます。最初は数千円でも構いません。「続けられる金額」を優先しましょう。
借金返済中でも貯金を続けるための家計管理術
先取り貯金の仕組み化
給料日に、あらかじめ決めた金額を自動的に別口座へ移す「先取り貯金」の仕組みを作ると、意志の力に頼らず貯金を継続できます。
固定費の見直し
通信費、サブスクリプション、保険料など、毎月かかる固定費を見直すことで、無理なく貯金や返済に回せるお金を生み出せます。
特に携帯電話は大手キャリアから、格安SIMに変えるだけでも月の通信費を半分にできます。
家計簿・アプリの活用
家計簿アプリなどで収支を「見える化」すると、どこにお金が消えているかが分かり、貯金・返済のバランスを取りやすくなります。
やってはいけないNG行動
貯金のために返済を滞納する
貯金を優先するあまり返済が滞ると、遅延損害金が発生したり、信用情報に傷がついたりする可能性があります。返済は最低限、期日通りに行うことが大前提です。
高金利の借金を放置して低金利貯金に励む
前述の通り、高金利の借金がある状態で貯金に励むのは、実質的に「損」をしている状態です。まずは高金利の借金を減らすことを優先しましょう。
目的のない貯金を続ける
「なんとなく」貯金を続けていると、モチベーションが続かず挫折しやすくなります。「緊急資金として〇万円」「完済後の生活資金として」など、目的を明確にすることが継続の鍵です。
【体験談】株・FXで一発逆転を狙って気づいたこと
ここからは、私自身の体験をお話しします。
当時、借金の返済が苦しく、「株やFXで大きく稼いで、一気に返済してしまいたい」と考えたことがあります。返済に追われる毎日から抜け出すために、投資で一発逆転できないかと本気で考えていました。

しかし、株やFXで資金を増やすには、ある程度の元手が必要です。そこで、まずは投資用の資金を貯金しようと考えました。
ところが、ここで壁にぶつかりました。当時の収入のままでは、貯金に回そうとしたお金も結局は返済に消えていき、投資の元手を作ること自体が困難だったのです。「増やすための元手」すら用意できない状態でした。
そこで発想を転換しました。投資で一気に増やそうとするのではなく、まずは転職や副業によって収入そのものを増やし、その増えた分を借金の返済に優先して充てるという、地道な方法に切り替えたのです。
結果として、これが精神的にはとても楽になりました。
「今月もきちんと残高が減っている」という実感を持てることが、想像していた以上に大きな支えになりました。投資での一発逆転を狙っていた頃は、うまくいかない焦りやストレスが常につきまとっていましたが、収入を増やして着実に返済する方法に切り替えてからは、先の見通しが立てやすくなりました。
その結果、当初の返済計画よりも前倒しで完済することができました。
もし今、借金返済の苦しさから「投資で一気に稼ぎたい」と考えている方がいたら、まずは収入を増やすことと返済を優先することを検討してみてほしいと思います。
よくある質問(Q&A)
Q. 毎月いくら貯金すればいいですか?
A. 明確な正解はありませんが、まずは無理のない範囲で数千円からでも始めることをおすすめします。慣れてきたら、生活費の1〜3ヶ月分を目標に金額を調整していきましょう。
Q. ボーナスは貯金と返済、どちらに回すべきですか?
A. 高金利の借金が残っている場合は、返済に多めに回すほうが合理的です。ただし、緊急資金がまったくない場合は、一部を貯金に回してバランスを取ることも検討してください。
Q. 貯金なしで返済だけに集中してもいいですか?
A. 高金利の借金を早く減らしたい場合は一時的にそうした選択もあり得ますが、緊急時の出費に対応できず、結果的に再び借金をしてしまうリスクがあります。少額でも貯金を並行することをおすすめします。
まとめ
借金返済中の貯金は、「するかしないか」の二択ではなく、借金の金利や状況に応じてバランスを取ることが大切です。
- 高金利の借金がある場合は、返済を優先する
- 緊急資金として、少額からでも貯金を並行する
- 先取り貯金や固定費見直しで、無理なく両立する仕組みを作る
私自身の経験からも言えることですが、投資などで一気に状況を変えようとするよりも、収入を増やし、それを着実に返済へ回すことのほうが、結果的に精神的な負担が少なく、完済への近道になることもあります。
ただし、緊急の際に使える現金はある程度必要なので、無理のない金額からで構いません。一歩を踏み出してみてください。
